今日も一日お疲れ様です、蟲人です。
皆さんはダニング・クルーガー効果と言う、一種の錯覚現象をご存じでしょうか?

若い頃って思考がぶっ飛びがち…
自分は若い頃…と言うか10年程前の頃なんですが、今と比べるとまあ傲慢と言いますか、大した画力も身に付けておらず、自分の名刺がわりになる様な世界観も構築出来ていない頃だったのに、何故か『自分は画家として成功する!』と言う自信だけは漲っておりました。
そのせいで周囲の悪い奴らにカモにされたり、相手のマウント取りの足場にされたりと散々な目に遭ってきましたが、正直今の自分でもちょっと一発ぶん殴ってやりたいと考える事が多々あります。
そんな若い頃は勘違いの傲慢チキな自分でしたが、そんな風にまだまだ未熟なクセに自分を過大評価する認知バイアスが、何と科学的に研究・証明され名前も付けられているそうです。
ダニング・クルーガー効果とは?
皆さんはダニング・クルーガー効果と言う認知バイアスをご存じでしょうか?
これは1999年にアメリカ・コーネル大学のデイヴィット・ダニングさんとジャスティン・クルーガーさんによって発表された認知バイアスの一種であり、その効果とは、初心者が自分の能力を正しく認知出来ずに『自分はデキる人間だ!』と思い込む『優越の錯覚』、ある程度知識・経験を積んで自分の能力を正しく理解した事で『自分はまだまだヒヨッコだった…』と自信を無くしてしまう状態、そして最終的には知識・経験に比例して自信も持てる様になっていく一連の過程だそうです(場合によっては最初の『優越の錯覚』についての説明である事もある)。
…自分は数年前から認知バイアスに興味を持って、それらの書籍を齧る程度に読む様になってからこの認知バイアスを知ったのですが、これがビックリする程10年前の自分の状態に当てはまるんですよね(笑)。
このダニング・クルーガー効果もとい『優越の錯覚』によって、若かりし頃の自分は自分を過大評価・過信をして痛い目にあった訳です。
自信を失い始めた頃が正念場!
しかしこの認知バイアス、知らない状態でいるのと知っている状態でいるのとでは、特に自分の様に好きな事を長い間続けているのに成果が出なくて、『やはり自分には才能がなかったのか…』と自信を無くしてきた人にとっては大きな支えになるのではないかと思います。
確かに人間とは何事も最初のうちはやる気が凄くて、ある程度知識・経験を積んで物事が上手く進むと『自分デキるじゃん!』と有頂天になりがちですし、特にまだ世間を知らない若い頃はその舞い上がり方が尋常ではありません。
しかし、大抵の場合はその天狗状態の中で大きな失敗をして一気に自信を無くしてしまう事が多々あるもので、そこでそのまま諦めてしまう人も多いのではないでしょうか?
確かにダニング・クルーガー効果はその初期状態の次の段階に、更に知識・経験を積んでいく事で自分の能力を正しく理解していく事で自信を無くしてしまうとも書いてありますが、更にその後には知識・経験を積んでいくのと同時にそれに比例した自信を持ちつつ、『自分はまだまだだ!』と前向きに勉強を続ける姿勢となっていくのです。
つまり、今は最初よりも知識・経験を多く積んでいて、尚且つ自分よりも知識も経験を豊富な人達や、自分よりも高い成果を出している人達の存在を知って『自分はまだまだだった…』と自信を無くしかけている頃が正念場なのです!
この時期を更に乗り越えて、もっと知識や経験を積む事に貪欲になり、しかし自分の能力を正しく理解して胡坐をかかずに日々精進すれば、時間は掛かれども確実のそれに見合った成果を創り出す事が出来るのではないでしょうか?
まとめ
今回書いた認知バイアスは、自分を含めて作家として活動されている方々、特に長年活動を続けているのに成果が出なくて悩んでいる方々は、知っているだけでもかなり心が軽くなるのではないかなと思います。
最初のうちに自信過剰になって派手に失敗するのも、反省して少しづつ失敗を重ねながら知識と経験を積んでいって自信をなくすのも、そして最後には知識と経験をしっかりと積んで正しい自信を持てる様になるのも、一種の認知バイアスとして科学的に証明されているのです。
科学的なバイアスであり、そして生きていれば誰しも一度は陥ってしまう意識の罠であると知っていれば、自信がなくなった時にも諦めずに立ち直りやすくなれるのではないでしょうか?